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熱血!風俗嬢
第1章 熱血の1、業界初、風俗嬢兼店長誕生!?
唖然としているマキとらいむの手を掴んでひなたが一方的に熱い握手を交わすと、店長はブッ…と吹き出した。

「ひなたお前…面接ん時からそんな事言ってたもんなぁ!ま、俺がいない間に風俗王にでもなっといてくれや…はははっ!」
「なるっ…!風俗王になって店長の帰りをお待ちしてますっ!」

すると、個室のひとつから黒のワンピースと網タイツ姿の30代前半くらいと思われるキャストが勢い良く飛び出すと、カツーン…!カツーン…!とヒールを床に叩き付け、長い黒髪をなびかせながら店長の目の前に迫った。

「店長!私…認めないわっ!こんなポッと出のクソガキに店任せるなんて!」

女はそう啖呵を切ると、力強いアイメイクの施された二重まぶたでひなたを見下すように睨み付けた。

「純さんっ…!」
「そうよ、純さんが仕切るべきよっ!」
「純さんが店長なら私、安心して仕事できるわ!」
(スゴい…メチャクチャ色っぽい人…)

マキは“純”と呼ばれた女の妖艶でグラマラスな色気に、ひなたよりもキャストの信頼が厚いのは当然だと思わされた。

「クソガキじゃないもんっ!私、店長だもんっ…!」
「店長…店長が帰ってくるまでは私に仕切らせてよ…私、ずっとこの店を引っ張ってきたって自負はあるの!」
「純…」

すると、初老の刑事は店長の手錠に着ていたジャケットをかけると、

「ま、店の内々の事はそっちでやってくれ…おい、行くぞ!」
「店長っ…!」
「店長ぉぉっ…!」

若い刑事と店長を先導するように店を出た。
店長はひなたと純をそれぞれ一瞥すると、若い刑事に連行されていった。
純は、未だ涙と鼻水を垂らしながらグスグス…と元店長の後ろ姿を淋しげに見つめるひなたの背中をドンっ…!と強く突いた。

「あうっ…!」
「…若さと物珍しさだけでNo.1になったからって調子に乗んじゃないよっ!私は認めないからね!アンタみたいなクソガキっ…!」

ひなたは純の目前に迫って見上げると、

「ベーだっ!私、店長が戻って来るまでにこの店をもっともっと大きくしてやるんだもんねっ!」

筋の通った小さな鼻にシワを寄せて舌を出した。

(…勇気を振り絞って風俗に来たってのに…いきなりこんな訳の分かんない事になるなんて…もうこのまま辞めちゃ…)

マキは睨み合うひなたと純を眼前にしてそんな事が頭をよぎったが、
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