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熱血!風俗嬢
第6章 熱血の6、本番発覚…?お店が無くなっちゃうっ!?
とある高層マンションの一室。20畳ほどの広さのリビングの大窓からは、ギラギラと煌めくビル群や高速道路を数珠繋ぎに行き交う光の列など、都市機能の全てが夜景として見下ろせる。
短身ながら端正な顔立ちの若い男は、見慣れぬ極上の夜景を喰い入るように見下ろしながら、

「スゲェっ…こんな夜景見たこと無いっす…いつか俺もこんなトコに住めるような成功者になりたいっす…」

マンションの持ち主へ心からの感嘆の句を述べた。
目の周囲と鼻を覆うバットマンのような黒いフェイスガードを付けた男は、ジャケットをソファーの背もたれに投げかけるとマッチョな身体をソファに沈めた。

「ふっ…お前もいつかなれるさ…いや、なるんだ…」

男はニヤリと口角を上げると球状の氷が入ったグラスにブランデーを注ぎ、口へ運んだ。
若い男は後ろで束ねた黒く艷やかな長髪の結び目を指先で直しながら、男の向かいのソファに座ると、

「酒、大丈夫っすか?傷に触りませんか…?」

そう心配げに言った。

「細かい事気にすんなよ…そんな事気にしてる奴は出世しないぞ!」

男がドスのきいた声でそう返すと、若い男はビクリ…と身体を強張らせた。

「なぁ、成功する秘訣…出世する秘訣って何だと思う?」
「えっと…努力とか…やっぱ才能っすかね…?」

男はグラスをテーブルに置くと手を前に組んだ。

「…それは、表層的な部分の話…いわば包装紙の部分だ…重要なのはな…」

男が間を置くと、若い男は身を乗り出してゴクリ…と唾を飲み込んだ。

「執念…執着だ…!」
「執着…」
「そう、お前の中にも何かあるだろう?成功したいとか夢を叶えたいって強く思う、根っこの部分の執着が…」

すると若い男はフライング気味に、

「やっぱイジメっすかね…俺、昔っからチビだったんで…特に女からイジメを…」

そう言いかけると男は手をかざして制止した。

「そう、そういう事だ。そういう、見返してやりたい…目にもの見せてやりたい…って執着が必要なんだ…」

男はテーブルの上のグラスを口に運ぶと、若い男も揃ってグラスに口を付けた。

「でなぁ?生きてりゃどんどんそういう“許せない”事は増えていくもんだ…その“許せない”を一滴たりともこぼすな!逃がすな…放っておくと負け犬になるぞ!」

若い男は言葉の勢いにつられ、グラスの中身を一気に飲み干した。
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