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喪服奴隷・七菜~香織の巻~
第2章 香織の看病
七菜に刺された省吾は、一命をとりとめた。
幸い、傷は肺の一部を掠めただけで、内臓の損傷が少なかったため
10針縫ったものの、全治3週間のケガで済んだ。
白い天井を見上げる省吾。腕には点滴が刺さっている。
病室の窓からは、黄色く色づいた銀杏の木が見えるらしい。
入院しているあいだに、その樹も葉を落としてしまうことだろう。
最後のひと葉か。まさに俺の人生も首の皮1枚だ。
それにしても日記を見られたのは大失策だった。
今まで色々な策を弄してきたのに、すべてが水の泡と消えた。

香織は日記に書かれていたことを知っているのだろうか?
七菜がすべてを話してしまえば、退職願を出すに違いない。
もう2人とも、手の届かない所へ行ってしまうだろう。
あぁ‐‐忌々しい、あの時パソコンの電源さえ落としておけば
いまごろこんなベッドに寝ていることさえなかったはずだ。
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