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彼女が突然おっパブで働きたいと言い出した!
第35章 いよいよ劇場デビュー
このまま彼とコンビを組んでやっていけるのか・・・

しかし、今の状況でこれ以上菊池君に言うのはどうなのか・・・

俺はそう思うとそれ以上彼に言うことはなかった。

楽屋に戻ると水島しげるさんが俺に話し掛けてくれた。

「お疲れ様です!ドカンって笑いが起きてましたね。」

「あ、有難うございます。俺はちゃんとネタをやりきりたかったんですけどね。」

「まあ、今日は結果オーライじゃないですか?ライブ終わりに支配人からダメ出しもらえるんで聞いてみたらどうでしょう?私はああいう斬新さって若さの武器かなと思うんですけど。」

「あ、そうですね・・・支配人に聞いてみます。」

水島さんはああ言ってくれたが、こんな風に笑いをとるパターンはいずれきつくなるのは目に見えてる。

武器は武器でしっかりと作りこまなければいけない・・・

ライブは問題なく進み、とりあえずネタをやり切った俺等はエンディングにも出れた。

MCの芸人から、支配人のジャッジで俺達は次回も蜘蛛の糸コーナーに出れることが伝えられる。

また出られるのは嬉しかったのだが、何だか心ここにあらずという気持ちになっていた。

これがお笑いの養成所だったら相方に「解散」を伝えて新しい相方を探すことも出来るかもしれないが俺はサークルの芸人。

しかも部員が多いサークルでもない。

じゃあピン芸人でやっていくか・・・・

俺には無理だ。

エンディングで菊池君はMCに絡んでいき、笑いをとっていた。

本当は俺がボケなのだからこういう場合にガンガン前に出ないといけないのに俺は何を言えばいいのか思いつかなかった。

ライブ終わりに客席で待っている陽子に話し掛けに行った。

「あ、明良!お疲れ様!!全く意味わかんなかったけど笑い起きて良かったね。」と笑顔で言ってくれる。

俺は何と彼女に言えばいいのか・・・

「お、おう・・・有難うな。」そんなことしか言えなかった。

菊池君は観に来てくれたバイト先の人に挨拶をしている。

客席の後ろの音響照明室で出演芸人が支配人からのネタのダメ出しを真剣な表情で聞いていた。

お笑いの世界は、どこまでも真剣にやらなければ前には進めない。

菊池君に声を掛け、俺等のコンビも支配人のところに行く。



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