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儚き陽炎
第5章 つながる

繋がったまま、余韻に浸る真由子に、
「俺、まだいってないよ」
「エッ!」
「真由子だけ、いったんだ!」
「初めて、真由子と繋がったのに、一緒に
・・・いきたかった」

顔がこわばり、固まる真由子。
「自分勝手な女だな」
「これじゃ、続か無いよ真由子とは」

ふて腐れ、罵る俺に真由子は、
「ごめんなさい、・・・私」

言ったまま、下をむき前髪で顔が見え無いまま
動かなくなった。
「重たいから、降りろ」
冷たく突き放す、俺

「・・・ごめんなさい・・・」

下を向いた顔は見え無いまま、降りようとはしない。

俺の乳首の周りにポッタポッタと水滴が落ちる。

真由子の肩が揺れ、小さく嗚咽が漏れ、倒れ込み
俺の首に抱きついてきた。

「ごめんなさい、私・・ごめんなさい、私」
同じ言葉を繰り返す、真由子の前髪を両手で
かき分け顔を見ると、涙と鼻水でクシャクシャの
顔で
「・・・ごめんなさい・・・私」
同じ言葉を繰り返す。
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