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乳母…めのと
第1章 乳母…1
桜田は憎かったが、お腹の子供は愛おしく感じていた。
ただ1人の身内だ。

8カ月健診の日、赤ちゃんの心音を聞き、女の子だという確定の映像を見て、顔まで見えていた。
逆子になったりしたが、時々胎動を感じ順調で気持ちも安定していた。
そろそろ出産準備品をまとめておかないとならないかな…と検診帰りに思いながらゆっくりと歩いていた。

歩道橋を下りかけた時、お腹がグニャリとかなり動いた。
「もう、こんなに元気で…ふふふ。」
一旦止まりお腹を撫で、再び動き出そうと手摺りに手を掛けようとした時、
「えっ??きゃあああ!!」
背中を誰かに押された気がし、後ろを振り返ろうとすると、もう一度背中を先程以上に強く押されバランスを崩した。

「あっ。!」

視界がズルッと滑り落ちた。






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