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第4章 乳母…4

あおいはホテルの部屋を取り、隼人をシッターに預け佐野と会場に向かっていた。
佐野の仕事を少しだけ手伝うからだ。
受け付けだったが、頼んでいた女性が体調不良で急に休んでしまい急遽あおいを頼み、ホテルにベビーシッターを派遣して貰ったのた。

佐野はあおいがいつ出て行ってもいいように準備をしていくようにした。離れる時に隼人が恋しがらないように。

3時間もすると展示会への来場者の波も落ち着いてきた。
「あおいさん、ありがとう。今日は助かったよ。一人いればもう受け付けも大丈夫だろうから、帰っていいよ。ありがとう。」

あおいは会釈をし会場から出て、隼人のいる部屋に急いだ。
知らない人と二人で寂しがっていないだろうかと心配で堪らなかったが、部屋に戻ると心配をよそにスヤスヤと眠っていた。

「おぼっちゃんは、寝入る時に少しグズりましたが、よく眠っていますよ。いつでも私をご指名ください。」
そう言いシッターは名刺を渡した。そしてお辞儀をして静かに部屋を出て行った。

あおいは隼人の寝顔を見つめながら、
「私じゃ無くてもいいんだ。」
なんとなく寂しくなっていた。