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乳母…めのと
第4章 乳母…4
川口の事務所で数十分様子を見させて貰い、彼にマンションまで送って貰ったのだった。
あおいはナーバスになっていたが、川口が落ち着かせていた。

「お腹の子供を殺したかも知れない相手と会ってしまえば恐ろしくも思うだろうし無理もない。
注意は必要だが、まだ犯人と決まった訳では無いので無駄に怖がる事もない。 」
と背中を撫でながら言った。

実際のあおいの心の奥の恐怖や悲しみや辛さや憎しみは川口には想像出来なかった。

それでもあおいは川口に感謝していた。
いつも明るく前向きな川口と話しているとパワーを貰えるような気がした。

「どうしていつもそんなにポジティブでいられるんですか?」

「ネガティヴは疲れるから。ははは。」

確かにネガティヴでいると疲れる…
ポジティブでいた方が疲れないなぁ

あおいはなんとなく納得できた。

「ネガティヴになっても、どうしたらポジティブな気持ちになるのか考えるんだ。目を背けるんじゃなくて発想の転換ね。逃げるが勝ちの事案はいっぱい見てきたし、まず逃げるのもいい。でも逃げるだけじゃ解決にならないから、その先の解放された自分をイメージするんだ。こういう仕事はネガティヴな相手が多いんだ。依頼された事だけしても解決にならない時もらあるしな…」

ベビーカーを覗き込み
「隼人、大きくなったらちゃんとママを守ってあげるんだぞ!」
というと、あおいを見つめ頭をポンポンと軽く叩いた。

そして
「大丈夫、俺がついてる。」
あおいを抱き締めた。


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