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第4章 乳母…4

明け方近くに佐野は帰ってきた。
その時はミルクを作る為にキッチンにあおいは居た。

「あおいちゃん〜ただいまぁー。あぁ、家に誰かがいてくれてるっていいなぁ〜」
背後からあおいを抱き締めた。

「今日は本当助かったよ。ありがとう。受付の女の子はどういう子なんだと何人にも聞かれて、紹介して欲しいと言ってきた人も何人もいたよ。あおいちゃんは俺んだから、なぁ〜。全部断わったよ。」

佐野は上機嫌だった。
あおいを抱いた時は酒臭かったが、一緒に受付をした女性の香水の匂いがした。

一緒に受付をした女性は接客もスムーズであおいが戸惑うと、スッとフォローをしてくれていた。
何よりも綺麗で優雅で華があり、女性のあおいから見ても素敵な人だった。

佐野がどんな女性と一緒に居てもあおいには関係の無い事だが、胸がチクリと痛んだ。

「おめでとうございます。成功して良かったですね。あまりお役に立てなかくて、申し訳ありませんでした。」

「いやいや、あおいちゃんのふんわりとした雰囲気に小さな心遣いにお客様も感心していたよ。」
心遣いなんてしたかな…あおいはもう一人の人と間違われていたと思った。

「なぁ、あおいちゃん、一緒に寝ていい？」
咄嗟の佐野の言葉に驚き
「ん…素面の時にお願いします…」
と佐野の腕からスルリと抜けた。

「よし！じゃあ明日、あ、違う今夜だ。」
佐野はあおいの頭を撫で、フラッと自分の部屋に入って行った。