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フツウ、ノ、オトナ - エロ教師って呼んでやるよ
第1章 セイヘキ

玄関の戸が閉まる音がした。階段を上ってくる人のスリッパの音が、廊下の壁で反響して、職員室の中にまで聞こえてくる。
「失礼します、忘れ物、持ち帰りたいです。」
すみません、という顔を一応つくって、慶は用件を言った。
「例外は認めないことにしてる。」
「えっ?玄関、開けてくれたのに?」
「被害届出すのを防いだだけ。」
「本当に車にかけるとおもったの?やだなー、本気にする?普通?」
「私は分別のある普通の大人だから、モニター越しに、少年のふざけた話を聞かされながら仕事する気は起きないの。ほら、はやく教室行って、帰るよ。」
「こんな子どもの相手をしてくれた、大人なミナミ先生に感謝します。」
このやりとりに時間を取られること自体には、嫌な気持ちはない。ただ安全上、誰もいない校内に生徒を1人で行かせるわけにはいかないので、私が教室まで彼をついていかなくてはならない。動くのが面倒くさい、ただそれだけだ。

