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フツウ、ノ、オトナ - エロ教師って呼んでやるよ
第1章 セイヘキ

部活が終わった後、そのままどこか遊びに行っていたのだろう。慶は、バスケ部のジャージを着たままだった。
私は今年、慶の担任をしていない。去年、彼が2年生の時は学級担任だった。今年は週4時間の授業だけもっている。
言動は少し子どもっぽいが、敢えておどけているのだろう。慶はそうやって、人をイライラさせるのも、つい甘やかす気持ちを引き出すのも、上手だった。
頭がよかった。すごく切れるのだ、回転が速くて大人と話しても負けなかった。
慶の後ろを歩いていると、身長が伸びたな、と感じた。いままでの華奢なバランスはそのままだが、高くなったような気がする。中学生の成長は早い。
「日比木さん、何忘れたんだっけ?」
「数学のプリント。明日、そこからテスト出るんだって。3組の人、言ってなかった?」
「あなたなら、そんなの無くてもいいでしょ?」
「さぼってて、まだ一問も解いてない。」
教室に向かいながら、話す。そんなプリント無くたって、彼なら明日のテストはできるだろうに、というのは本心だった。
日が傾き始めて、薄くオレンジ色のかかった光が窓から入り、廊下に影ができる。歩きながら、日比木慶が私の方を少し振り返って話をする。すると、彼のまつげが茶色いのが分かった。全体的に、色素が薄いのだ。

