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フツウ、ノ、オトナ - エロ教師って呼んでやるよ
第2章 カイキャク

「そういえば、南浪先生、体育祭のスローガンの幕、見に行きました? 今、美術室の床に広げて、作っていますよ。今年はすごい。」
笠原先生が教えてくれたのは、毎年体育祭で掲げるスローガンの横断幕のことだ。生徒が工夫してつくる、この学校の名物。今年は担任している生徒がリーダーとなって作っていた。
「私、下書きのところしか見てないんだよね。」
「それなら、今行ってくるといいですよ!完成はしてないけど、激変してます。色ぬり、佳境ですよ。」
「邪魔にならない程度に覗いてこようかな。」
最後の大会で負けて、本当は受験勉強をしなくてはいけない3年生が、息抜きに放課後に残ってスローガンをつくっていた。美術室まで様子を見に行こうと思った。
美術室までの階段を上るうちに昨日のことが思い出される。夕日がすこし眩しい。慶の色素の薄い髪、大人になれば髪質も変わるのだろうか。それはなんだかもったいない気がした。

