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片時雨を抱きしめて
第2章 第二章 片時雨



父親がママと私を殴るようになってから、不安定ママを支えることができるのは私だけだった。父親と別れてからも、何人も男を作るようになって、それでも結局、ママは幸せにはなれなかった。
だから、私が支えていたつもりだった。私だけはママの味方でいると、抱きしめてあげたかった。

それなのに___、

「生まなきゃよかった、か」

____雨とはまた違う、温かいものが私の頬を伝う。
その感情は次第に大きくなって、嗚咽となった。
だれもいない雨の夜、夜道、だれにも止められない涙は止まることを知らなくて、
私は子供のように泣いた。

ときより通り過ぎる人がぎょっとした顔をしながら足早に去っていく。
きっと私はひどい顔をしているに違いなくて、涙と涙の間に笑いがこみあげてくる。



もう、どうだってよかった。
どうにでもなってほしい。私のことを思ってくれている人なんて誰もいないのだから。
このまま死んでしまおう。ふいにニュースで流れていた濁流を思い出す。この雨なら、きっと、誰にも気づかれない。


人気のない道に入り、座り込んだ。靴の履いていない足先はもう感覚がなくて、冷たい手で覆った。





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