この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
片時雨を抱きしめて
第2章 第二章 片時雨


先生は、ん、と小さく応えて上着を脱いで私の肩にかける。先生の手が私の肩に置かれて、優しくさすった。その暖かさにまた涙が込み上げてきた。
しばらく先生はなにも言わなかった。ただ私の肩を優しくさすり、私が泣き止むのを待っていた。

「とりあえず車乗りな、風邪ひくから」


先生が私の肩を抱きながら立ち上がった。私もそれにつられて立つ。
ずっとしゃがみこんでいたから、ぐらりと視界が回る。
あ、と足をもつれさせかけたところで、先生の胸の中にぽすんと収まった。

「あっ、ごめんなさ__」

体を離そうと腕を胸にあてた瞬間、ぎゅ、と力を加えられる。
え、と思わず声が漏れた。先生の腕が私の背中を抱える。先生の体の温かさや、心臓の音が頬から伝わる。

「大丈夫だから。俺は綿谷の味方だから。言いたくなったら、言えばいいから」

先生の低い声がいつもよりずっと近く、聞こえる。
おさまりかけていた涙があふれ、先生の服を濡らした。先生の力に応えるように私も腕をそっと回した。想像しているより、先生の体は分厚くて、こんなときなのに心が甘く疼いた。


/72ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ