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片時雨を抱きしめて
第2章 第二章 片時雨


これから、どうしよう____。
寒さによる震えが徐々に去り、頭が冷静になってくればくるほど自分の身のどうしようもなさに暮れてしまう。

濁流の中に身を預ける想像も、冷静な頭ではおそろしいものに思えて仕方がなかった。
家には帰れない。ずっと仕方がないと我慢していたママの不安定さを、また受け入れ、昔のように愛せる自信は微塵もなかった。


拒まれた傷は、だんだんと腐っていく。


心の中のわだかまりがほどけはじめると、ママへの嫌悪と、憎悪、そして誰にも必要とされていないというむなしさだけが形作っていくのだ。
家には絶対に、帰れない。





ぐるぐると考えを巡らせていると、また車のドアが開いた。

「おまたせ、はいこれ。あとこれ、前食堂で綿谷が買ってるの見たことあったから。好きなの?」


先生は温かい缶コーヒーとチョコレート菓子を手渡した。その小さなお菓子はいつも私が購買で買うもので、思わず口角があがってしまう。
__先生、私のこと見ててくれたんだ。

「うん、安いのにおいしいのこれ。ありがと」

おう、と応えると先生はまた車を走らせ出した。



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