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片時雨を抱きしめて
第2章 第二章 片時雨

「綿谷、それ_____」
後にはひけなかった。
さっきまで私の中を占領していた私が、私自身をまた甘く誘惑する。
心臓が耳元で鳴っているほどひどく高く打つ。無意識に握りしめていたシーツに気づき、は、と力を緩めた。
「抱いて、先生」
私が、私と、一致していく。
そうだ、
そうだ私はずっと、焦がれていた。
あのとき、生徒指導室で先生の低い声に疼きをおぼえたときから、
頭にふれた先生の体温を感じた時から、
____目が、合った時から。
私はずっと、先生に触れたくて、触れられたくて、
恋を___、自覚する。
それはその手のひらを想像することと、酷似している。
その熱に欲情することと、酷似している。
先生、私は、
あなたが、
「好きなの」
もう戻れない。先生の優しさに、私は漬け込んでいくのだ。

