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片時雨を抱きしめて
第2章 第二章 片時雨

もうやめてほしい。私をこれ以上、私の理性をこれ以上、
刺激、しないで。
それでも先生はそのテノールを私に向ける。
「なあ綿谷、お前の家のことはさ、よくわかってるから」
先生の手が優しく私の半乾きのショートボブを沿う。
「お母さんのことも、親父さんのことも」
先生の声がぽつり、またぽつりと部屋に落ちていく。
「今日だって、きっと綿谷は何にも悪くないんだよな」
やさしく私の目をみて、
「俺わかってるから。綿谷が頑張ってること、全部知ってるから。
だから、親と喧嘩したくらいでさ、そんな風に自暴自棄にならないで。」
「自暴自棄になんてなってな____」
「なってるよ」
「違う_______!」

