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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第5章 #4
手軽に冷やし中華を作っただけだが、上田は感心しまくって大絶賛で食べ尽くした。そんな大層なものではないのだが、こんなに喜んでもらえると作ったかいがある。
「マサキはええ子やなぁ」
「は、何それ。アンタのほうが偉いんだけど」
口は悪いが言ってることは素朴だ。頭を撫で回すと気恥ずかしそうに腕をかわす。ムキになってさらに腕を伸ばした拍子にバランスを崩して押し倒してしまった。
「ごごご、ごめっ……わざとやなし」
「……キョドりすぎ。」
妙に落ち着いている上田が手を伸ばしてきた。肩や背中の筋肉を撫でられ片桐はどもる。
「何や、誘ってんのか!?」
一度火がついたら歯止めはきかない気がして、それはさすがにいけない気がして、片桐自身どうしていいかわからない。
「凄いよね、筋肉」
上田は能天気に呟いた。マジで犯すぞ、とか必死に堪える片桐にはお構い無しだ。