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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第5章 #4


何もしないと言った手前、たぎる感情を必死に抑え込んでただふんわりと抱き締めた。腕の中にすっぽり収まる小さな体はやはり女の子のようだった。すっかり恐怖で縮こまる固い肩を撫でて服の上からキスをすると、潤んだ目で上田が見上げて来た。


「俺のこと恐いん?」

「ちょっとびっくりした、」


びくびくしている涙目に、逆に笑いが込み上げてくる。


「女子高生みたいやな」

「わ、笑うな……!」


手を取って撫でる、ただ手を撫でているそれだけなのに、震える指先が感度の高さを語る。握ったり指を絡ませたり擦ったり、それだけで心拍数はゆっくりと上昇する。


「ん……」

「マサキの手、気持ちええな」

「……触り方がエロい」

「感じとるんやろ?」


握った指先に唇を押し付けてキスをする。色付いた上田の顔がうっとりとそれを見ていた。


「手ぇ小っさいなぁ」

「アンタのがデカ過ぎんの!」


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