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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第6章 #5
喧嘩などの激しい言い合いで激情を曝した後の交わりは『燃える』。仲直りをして不安を解消したからか、本音を理解して歩み寄ったからか。
身心共に、衰弱している時の労るような愛撫は『感じる』。
どんなメカニズムかは知らない。けれど身体は正直だ。
片桐と上田が、喧嘩をしたわけではない。だが連絡を取れずに幾日も過ごした。苛立ちや不安が解消され、これまで堪えてきたものがせきをきるように片桐の劣情を煽る。
理性はあるが、気が狂いそうだった。
言葉をかける余裕はほとんどない。逸る欲情のままに舌を手を這わしていた。