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朏の断片‐ミカヅキ ノ ダンペン‐
第6章 #5


(体… こんなに熱くなるんだ)


熱にうかされる、とは少し違う気がした。上田はされるがまま、せいぜい片桐にしがみついたりするくらいで何もしていないのに。身悶えるだけで体温は上がり汗が流れるなんて思いもしなかった。

もうどこを触られても性感帯になってしまっている、長い長い時間繰り返された愛撫に神経はとろけた。


片桐は上田以上に汗を流している。その姿を見て上田は片桐を抱きしめた。小さなこどもに囲まれ、笑いながら走り回って、ボールを器用に――手品のように扱う、グラウンドでイキイキとして見えたあの片桐とはまた別の姿だ。上田だけを見て上田だけを感じて上田だけのためにある。


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