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愛妻ネトラレ 久美子
第16章 VR世界でRPG 女戦士?久美子
『寡黙なのね』
久美子がお礼を言ってからも、全く口を開かない。
それどころか視線を合わせようともしない金髪碧眼の美青年に向かって、久美子は再度言葉を投げかける。
『いや……そういう訳では…』
ようやく口を開いた美青年の声は、見目麗しい外見に相応しく、女心をくすぐるような美声であった。
チラッと久美子の方を見たかと思うと、すぐに視線を外すヒイロ。
うつむき金色の前髪に隠れて見えずらいが、その頬は紅く染まっているようだった。
『じょ…女性と接するのに慣れていない…だけだ』
ひどく情けない弱みを吐露したかのように、ヒイロは搾り出すようにようやく言葉を紡いた。
『そうなの?パーティにレオナもいるじゃない?』
さきほどまで久美子と一緒に湯船に浸かっていた、褐色赤毛の快活な女戦士の名をあげる久美子。
『レオナは!……アイツはガキの頃からの幼馴染みだから!…家族みたいなもんだから』
反射的に、むきになったように答えるヒイロに、女戦士 久美子はクスリと頬を緩める。
なんだかカワイイ。
男性にこんな印象を抱くのは、随分と久しぶりかもしれない。
昔、ススキノの店で働いていた頃以来だろうか。
まぁ今ここはVRゲームの世界だが。
『そうなんだ』
言って久美子は、ヒイロに『ね、隣に行ってもいい?』と訊ねる。
『……あ、ああ』
とだけ言うヒイロの隣に移動する久美子。
ギシッ、と音をたて二人分の重さになったベッドが軋む。
すぐ隣に女性がいる状況に、緊張しているのであろうヒイロの雰囲気が伝わってくる。
ゴクッ
ヒイロが生唾を呑み込む音が聴こえた。
不思議なもので相手が緊張していると、こちらは逆に冷静になれるものだ。
久美子は『ねぇ……助けてくれたお礼がしたいんだけど…』言いながら、ヒイロの膝に掌を乗せる。
一瞬ビクッと身を固くさせるヒイロだが、情けない男と思われたくはないのか動じてない素振りで『…そんなつもりで助けた訳じゃない』とだけ口にする。
『……ううん、何もお礼をしないなんて。それじゃあ私の気が済まないもの』
殊勝な女性といった感じの台詞を言いながら、久美子はヒイロの膝に置いた手を、今度はヒイロの手の甲に乗せる。
ヒイロが拒まないのを確認し、久美子はそのままチュッとヒイロの頬に優しく、柔らかな唇をあてがう。
久美子がお礼を言ってからも、全く口を開かない。
それどころか視線を合わせようともしない金髪碧眼の美青年に向かって、久美子は再度言葉を投げかける。
『いや……そういう訳では…』
ようやく口を開いた美青年の声は、見目麗しい外見に相応しく、女心をくすぐるような美声であった。
チラッと久美子の方を見たかと思うと、すぐに視線を外すヒイロ。
うつむき金色の前髪に隠れて見えずらいが、その頬は紅く染まっているようだった。
『じょ…女性と接するのに慣れていない…だけだ』
ひどく情けない弱みを吐露したかのように、ヒイロは搾り出すようにようやく言葉を紡いた。
『そうなの?パーティにレオナもいるじゃない?』
さきほどまで久美子と一緒に湯船に浸かっていた、褐色赤毛の快活な女戦士の名をあげる久美子。
『レオナは!……アイツはガキの頃からの幼馴染みだから!…家族みたいなもんだから』
反射的に、むきになったように答えるヒイロに、女戦士 久美子はクスリと頬を緩める。
なんだかカワイイ。
男性にこんな印象を抱くのは、随分と久しぶりかもしれない。
昔、ススキノの店で働いていた頃以来だろうか。
まぁ今ここはVRゲームの世界だが。
『そうなんだ』
言って久美子は、ヒイロに『ね、隣に行ってもいい?』と訊ねる。
『……あ、ああ』
とだけ言うヒイロの隣に移動する久美子。
ギシッ、と音をたて二人分の重さになったベッドが軋む。
すぐ隣に女性がいる状況に、緊張しているのであろうヒイロの雰囲気が伝わってくる。
ゴクッ
ヒイロが生唾を呑み込む音が聴こえた。
不思議なもので相手が緊張していると、こちらは逆に冷静になれるものだ。
久美子は『ねぇ……助けてくれたお礼がしたいんだけど…』言いながら、ヒイロの膝に掌を乗せる。
一瞬ビクッと身を固くさせるヒイロだが、情けない男と思われたくはないのか動じてない素振りで『…そんなつもりで助けた訳じゃない』とだけ口にする。
『……ううん、何もお礼をしないなんて。それじゃあ私の気が済まないもの』
殊勝な女性といった感じの台詞を言いながら、久美子はヒイロの膝に置いた手を、今度はヒイロの手の甲に乗せる。
ヒイロが拒まないのを確認し、久美子はそのままチュッとヒイロの頬に優しく、柔らかな唇をあてがう。