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唇果実
第1章 少女達
「少年」て、どんなことを指すんだろう?
私の日常、まわりに生活している昼間の部族は所謂「少年少女」と呼ばれている。もちろん私自身も。
でも、朝になると教室に集まってくる男子に「少年」なんて一人もいない。
みんな中途半端に毛が生えているし、何よりも匂いだ。成長の証みたいに纏った整髪料や制汗スプレー、当然みたいに潜む汗と埃と砂の匂い。私はそんなものに包まれたものを「少年」とは認めない。
じゃあもっと年下の小学生男子は?
あの子達にには何かが足りない。ただの子供なのだから。
「おはよー。なに朝から黄昏てんの?生理?」
レペゼン「少女」の登場だ。
ツヤツヤの黒髪は濡らしたみたいに光ってるくせに、その実サラサラだ。
「おはよー。今日もいい匂いさせてるね。クンクン」
私は少女の匂いが大好きなのだ。
「イヤだー、バカ!くすぐったいよー」
「ユウリってレズッ気あるよねー」
嗚呼、予定調和。
大人たちは大きな勘違いをしている。
少女達は刺激や冒険、背伸びなんか欲していない。こんな風に愛すべき予定調和を永遠に守護する保守派なのだ。だからみんな揃って同じような髪形にして、同じアイドルやアニメを好きになり、同じ文房具にホッとするのだ。でも、私は違う。
やっぱりツヤツヤサラサラなんだけど、ワンレンボブに揃えた私の髪はちゃんと皆との間にパーテーションの役割を果たしている。鬼太郎みたいって言われたとしても、だ。
「ユウリ」は陽の光の下だけでの名前。
「euri」って綴る密かな自称だって持っている。
私の日常、まわりに生活している昼間の部族は所謂「少年少女」と呼ばれている。もちろん私自身も。
でも、朝になると教室に集まってくる男子に「少年」なんて一人もいない。
みんな中途半端に毛が生えているし、何よりも匂いだ。成長の証みたいに纏った整髪料や制汗スプレー、当然みたいに潜む汗と埃と砂の匂い。私はそんなものに包まれたものを「少年」とは認めない。
じゃあもっと年下の小学生男子は?
あの子達にには何かが足りない。ただの子供なのだから。
「おはよー。なに朝から黄昏てんの?生理?」
レペゼン「少女」の登場だ。
ツヤツヤの黒髪は濡らしたみたいに光ってるくせに、その実サラサラだ。
「おはよー。今日もいい匂いさせてるね。クンクン」
私は少女の匂いが大好きなのだ。
「イヤだー、バカ!くすぐったいよー」
「ユウリってレズッ気あるよねー」
嗚呼、予定調和。
大人たちは大きな勘違いをしている。
少女達は刺激や冒険、背伸びなんか欲していない。こんな風に愛すべき予定調和を永遠に守護する保守派なのだ。だからみんな揃って同じような髪形にして、同じアイドルやアニメを好きになり、同じ文房具にホッとするのだ。でも、私は違う。
やっぱりツヤツヤサラサラなんだけど、ワンレンボブに揃えた私の髪はちゃんと皆との間にパーテーションの役割を果たしている。鬼太郎みたいって言われたとしても、だ。
「ユウリ」は陽の光の下だけでの名前。
「euri」って綴る密かな自称だって持っている。