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唇果実
第2章 めくるめく
薄い生地越しに這いまわる指はやがてそこにたどり着いた。
ガラス質の硬度からは想像もつかないような色彩を照りつかせている
左右の秘めた唇を挟むようにあてがわれた人差し指と薬指の間、一つだけが爪を立てカリカリと縦になぞり始める。
「ダメ、汚しちゃう」
「ママに怒られる?」
違う。
私が気に病んでいるのは綺麗な爪のことなんだ。
もうすっかり解け始めた私の小さな唇からとめどなくあふれ出る果汁。
それはしっかりと純白の木綿に染み込み、少しの圧で滲んでくることだろう。
汚物ではないことは知っているけど、私自身から排出される体液はなんとなく綺麗なものを濡らすには不相応なんではないかと思う。
左手がセーラー服の裾から背中を昇ってくる。
それだけで悶絶ものなのに、
踊り子のような指はスルリとブラのホックへと滑り込み、
「プンっ」と外してしまった。
真っ赤なハイヒールの踊り子は迷いもなく私の右乳房を弄び、杏子(アンズ)の種を蹴り始めた。
そのリズムに合わせて私は歌った。
はちみつ漬けになった白いもう一つの乳首を浅くくわえ込んだ桃。
そのひどく脆弱な表皮を破かないように、やさしい爪が襲い続ける。
全身の透明な産毛が逆立ち、でもその部分だけは湿度の高い亜熱帯のような熱さだ。
もうダメだ。
私は諦めてしまった。
何を?
ガラス質の硬度からは想像もつかないような色彩を照りつかせている
左右の秘めた唇を挟むようにあてがわれた人差し指と薬指の間、一つだけが爪を立てカリカリと縦になぞり始める。
「ダメ、汚しちゃう」
「ママに怒られる?」
違う。
私が気に病んでいるのは綺麗な爪のことなんだ。
もうすっかり解け始めた私の小さな唇からとめどなくあふれ出る果汁。
それはしっかりと純白の木綿に染み込み、少しの圧で滲んでくることだろう。
汚物ではないことは知っているけど、私自身から排出される体液はなんとなく綺麗なものを濡らすには不相応なんではないかと思う。
左手がセーラー服の裾から背中を昇ってくる。
それだけで悶絶ものなのに、
踊り子のような指はスルリとブラのホックへと滑り込み、
「プンっ」と外してしまった。
真っ赤なハイヒールの踊り子は迷いもなく私の右乳房を弄び、杏子(アンズ)の種を蹴り始めた。
そのリズムに合わせて私は歌った。
はちみつ漬けになった白いもう一つの乳首を浅くくわえ込んだ桃。
そのひどく脆弱な表皮を破かないように、やさしい爪が襲い続ける。
全身の透明な産毛が逆立ち、でもその部分だけは湿度の高い亜熱帯のような熱さだ。
もうダメだ。
私は諦めてしまった。
何を?