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唇果実
第2章 めくるめく
それでも艶やかな本当の唇は私の口をそっとふさいだまま、小鳥みたいな囀りをやめない。
やがて向こうの唇が開くがままに私も口を開け、ジュレまみれの舌が絡み合おうとする。

不思議だね。

私の舌が短いのかな?
と思うほどに口が口をくわえ合い、もっともっと二人の顔は近づいていく。

どんどん、どんどん、入ってくる。
そして
どんどん、どんどん、出てくる。

長いまつげ同士が触れ合うたび、
反射的な瞬きがもったいないと思う。
目を開けていなくちゃダメだ。
この綺麗な人をずっと見ていたい。
どんな表情で私をこんなにしているのか、知りたい。

いつの間にかパンツははがされている。
右手の代わりに真っ白なお餅みたいな太ももが私の両脚のつけねに食い込んできた。
抱きしめられて、キスされて。
私のもう一つの唇もこの人の太ももをなめまわし、よだれに濡らしている。

もう全部脱いでしまいたい。

私の身体はたっぷりと果汁を溜め込んだ桃なんだ。
この人はどうなんだろう?
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