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硝子の初恋
第5章 名前は特別の証?
「高臣先輩と合コン? いいなぁ、うちらも混ぜてよ?」

4人でしばらく盛り上がっていると、クラスメイトの三園 晶子[みその あきこ]と原口 風架[はらぐち ふうか]が、話に混ざってきた。

「まゆちゃん、高臣先輩の彼女なんてうらやましい! うちらにもイケメン紹介して」

笑顔を見せる三園だが、その笑顔がまゆなに胸騒ぎを呼び起こす。

沙有里、佳菜美、成美が、片想いトークで盛り上がっていると、3人からまゆなを隔てるように、三園と原口が立つ。

「まゆちゃんって、可愛くて、話しやすくて憧れるー!」

「これからも仲良くしてねー!」

三園と原口に笑いかけられ、まゆなはとりあえず笑顔を返す。

「ねぇねぇ、まゆちゃんの携帯教えてよ?」

三園が、ずいっと自分の携帯をまゆなに近付ける。

「あ……うん」

胸騒ぎ……違和感……。でも、断れずに教えてしまうまゆな。

「アドレスは? 聞いてもいい?」

「え……あ……」

原口の言葉に、助けを求めるように沙有里を見遣るまゆなだが、沙有里は佳菜美たちとまだ盛り上がっている。

「あー、ごめんね? 図々しかった?」

原口にそう言われ、まゆなは慌てて首を振って、アドレスを教えた。

ちょうど、5時限目開始のチャイムが鳴り、教師が入ってくる。

口の端を上げ、顔を見合わせる三園と原口に、まゆなは嫌な予感を覚えずにはいられなかった。

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