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硝子の初恋
第5章 名前は特別の証?
スッと差し出された高臣の指は、まゆなの零れ落ちた涙を優しく拭う。

「……ごめん」

高臣の口から出た言葉に、まゆなの心を絶望感が覆った。

「……俺が最初に最低な事したから」

最低な事─────…

文化祭最終日のレイプの事だろう。

あの日から始まった関係は、今、脆くも崩れようとしている。

「まゆ……顔上げて?」

高臣に頬を包まれ、そっと顔を上げさせられる。目を開けても、止まらない涙がまゆなの視界を歪ませた。

「まゆ……ごめんな。俺が最初に最低な事したから、何か順番がめちゃくちゃになっちゃったよな?」

(…─────順番?)
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