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硝子の初恋
第1章 憧れの王子様
落ち着きを取り戻すと、静かな倉庫内に、校内放送が聞こえてきた。
『王子様お姫様発表の後は、お待ちかね、大声で言いTime! 近年は愛の告白の場と化して来てますが(笑) とにかく大声で言いたい事言っちゃおうというコーナーです!』
待てども現れない高臣に痺れを切らせたのか、講堂では、新しいコーナーが始まったようだ。
『トップバッターは、一年の法月祐子[のりづき ゆうこ]ちゃん、どうぞ!』
法月祐子…まゆなの隣のクラスのギャルの1人だ。
『二年の高臣先輩! 好きです! 付き合って下さい!!』
目の前にいる高臣への突然の告白に、まゆなはバッと顔をあげ、高臣を見遣る。
まゆなの視線に気づき、携帯から顔をあげた高臣と目が合った。
「告白…されてますよ?」
「……うぜぇ」
「ひどッ! 極悪非道ですね」
「はぁ? お前ムカつく」
告白され慣れているのだろうけど、顔色一つ変えずに"ウザい"と言い切る高臣に、まゆなは肩を落とす。
(私が決死の思いで告白しても、結果は目に見えてるなぁ)
まゆなは小さくため息をついた。
『王子様お姫様発表の後は、お待ちかね、大声で言いTime! 近年は愛の告白の場と化して来てますが(笑) とにかく大声で言いたい事言っちゃおうというコーナーです!』
待てども現れない高臣に痺れを切らせたのか、講堂では、新しいコーナーが始まったようだ。
『トップバッターは、一年の法月祐子[のりづき ゆうこ]ちゃん、どうぞ!』
法月祐子…まゆなの隣のクラスのギャルの1人だ。
『二年の高臣先輩! 好きです! 付き合って下さい!!』
目の前にいる高臣への突然の告白に、まゆなはバッと顔をあげ、高臣を見遣る。
まゆなの視線に気づき、携帯から顔をあげた高臣と目が合った。
「告白…されてますよ?」
「……うぜぇ」
「ひどッ! 極悪非道ですね」
「はぁ? お前ムカつく」
告白され慣れているのだろうけど、顔色一つ変えずに"ウザい"と言い切る高臣に、まゆなは肩を落とす。
(私が決死の思いで告白しても、結果は目に見えてるなぁ)
まゆなは小さくため息をついた。