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硝子の初恋
第6章 怖いくらいに幸せ
「眞斗くんてすごいね!」

「うんうん! 頭はいいし、顔はいいし、スタイルもヤバイくらいいいし」

「眞斗カッコイイ」

ピタッと、高臣の足が止まる。

「……俺、まゆ以外の女に名前で呼ばれんのムカつくんだよね」

高臣の顔から愛想笑いが消え、低い声でそう制される。

取り巻きの女たちも立ち止まり、その場が静まり返った。

「うわぁ……」

その静寂を破る沙有里の声。

「まゆ……!」

立ち尽くす女たちの間をすり抜けて、高臣がまゆなに駆け寄った。

「眞斗……おめでとう」

高臣の嬉しそうな顔に、まゆなの頬も緩む。

「サンキュ。もちろん今夜は空けてあるよな?」

そう言って、高臣はまゆなの肩を抱いた。

「えぇ?! どういう事?!」

「俺、まゆな以外のプレゼントは受け取らない」

「え? あ、ごめん。私何も……」

「つーまーりー、まゆな自身を今夜たっぷりプレゼントしろって事だよッ!」

沙有里のツッコミに、ざわめきと共に女たちからまゆなに恐ろしい視線が注がれる。

「まままままま眞斗……ッ」

「吃り過ぎだろ」

高臣は、まゆなの肩を抱いたまま、女たちにクルリと背中を向けた。
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