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硝子の初恋
第1章 憧れの王子様
講堂からの校内放送は続く。
『続きまして、男子です。先程一年の王子様に選ばれた渡辺 修士くんです』
マイク越しに歓声が聞こえる。
(渡辺くん…同じクラスだけど、明るくて人懐っこくて、クラスでも人気なんだよね)
クラスメイトのイケメンが、誰にどんな告白をするのかと、まゆなは耳を澄ます。
『同じクラスの神崎まゆなぁ! 好きだぁ!』
一瞬の沈黙。
マイク越しの悲鳴と共に、
「はぁ?!」
高臣らしからぬ間の抜けた声。
「私ッ!?」
まゆなは、思わず立ち上がる。
「ちょっと先輩! 聞きました?! 私なんかに告白してくれる人が! しかもあの、渡辺くん!」
人気のイケメン男子からの告白に、浮かれるまゆな。
「……」
高臣は、無言でまゆなを睨みつける。
『一年の神崎まゆなさん、居ませんかぁ?』
校内放送で、今度はまゆなが呼ばれる。
「居ます居ます! ここにいます! だれか開けてー!」
重たい上に鍵まで掛けられ、ビクともしない扉を、まゆなはドンドンと叩いた。
『続きまして、男子です。先程一年の王子様に選ばれた渡辺 修士くんです』
マイク越しに歓声が聞こえる。
(渡辺くん…同じクラスだけど、明るくて人懐っこくて、クラスでも人気なんだよね)
クラスメイトのイケメンが、誰にどんな告白をするのかと、まゆなは耳を澄ます。
『同じクラスの神崎まゆなぁ! 好きだぁ!』
一瞬の沈黙。
マイク越しの悲鳴と共に、
「はぁ?!」
高臣らしからぬ間の抜けた声。
「私ッ!?」
まゆなは、思わず立ち上がる。
「ちょっと先輩! 聞きました?! 私なんかに告白してくれる人が! しかもあの、渡辺くん!」
人気のイケメン男子からの告白に、浮かれるまゆな。
「……」
高臣は、無言でまゆなを睨みつける。
『一年の神崎まゆなさん、居ませんかぁ?』
校内放送で、今度はまゆなが呼ばれる。
「居ます居ます! ここにいます! だれか開けてー!」
重たい上に鍵まで掛けられ、ビクともしない扉を、まゆなはドンドンと叩いた。