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硝子の初恋
第1章 憧れの王子様
─────ッ!?

不意に後ろから抱き締められたまゆな。

「たっ、高臣先輩?!」

驚いて振り返ると、怒ったような高臣の顔が真近にある。

「……調子に乗んな」

唇が重なる。

驚いて固まるまゆなの唇に、高臣の唇が何度も軽く触れる。

(なっ、何? 何が起きてるの?!)

見開いたままのまゆなの瞳に、意地悪く笑う高臣の顔が写る。

(私……高臣先輩と……キス……してる?!)

「たっ、高臣先輩?!」

弾かれたように我に返り、高臣の身体を押し返すまゆな。

「ななななな……」

顔を真っ赤にして吃るまゆなに、高臣はフッと笑った。

高臣の指がまゆなの顎を掴まえ、その綺麗な顔が近づく。

「せっ、先輩?! そろそろ、誰か助けに……ッ」

まゆなの言葉を無視して、高臣の唇が重ねられた。

繰り返される、触れるだけのキス。

「誰も来ねぇよ。呼んでねぇから」

「……は?」

思わず開いたまゆなの唇の隙間に、スルリと滑り込む高臣の舌。

「んンッ!!」

まゆなは高臣の身体を押し返すが、今度はビクともしなかった。
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