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硝子の初恋
第7章 初めて一緒のクリスマス
「え? このためにお父さんとお母さんに豪華ディナーをプレゼントしたの!?」

一気に現実に戻ったまゆなが、今さらながら驚いた声を上げた。

「金と頭は使いよう。私の株が上がって、ホテル代が浮く」

「高くついてんじゃねぇの?」

あゆみの言葉に思わずボソッと呟いた高臣。

そんな高臣をひと睨みしたあゆみ、

「さぁ、お邪魔虫は出て行け」

まゆなの手を引いて立ち上がらせる。

「だってまだケーキ食べてない!」

「じゃあケーキ持ってイルミネーション行って、そこで食べなよ。ロマンチック〜」

「えー!?」

テキパキと妹の身支度をさせ、追い立てるように2人を玄関まで連れていくあゆみ。

「絶対帰ってくんなよ」

ガチャリ

ケーキを持たされ、まゆなと高臣は締め出される。

「ぶっ……まゆの姉ちゃん、俺の姉貴より最強」

どんな抵抗も通じないまゆなの姉あゆみに、高臣は笑いすら込み上げてくる。

「ごっ、ごめんね……どうしよう」

持たされたケーキを困ったように見つめるまゆな。

「やっぱりクリスマスはイルミネーションだろ」

高臣はケーキを持つと、まゆなの手を引いて歩き出した。
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