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硝子の初恋
第8章 かげり始めた幸せ
「わぁい、楽チン〜」

自転車の荷台に横座りし、高臣に抱き着くまゆな。

運転を高臣に代わり、自転車は快適に進んで行く。

神社に向かった時には爆走していた高臣だけど、帰りはのんびりと走っている。

必死に自転車を漕いだ後だからか、冷たい冬の風も、火照ったまゆなの頬には心地よく感じる。

日付と年が変わり2時間近く経つ。まゆなは疲れと眠さのピークが来ていた。

高臣の背中に顔を押し当てるまゆな。

「まゆ、寝るなよ」

高臣の優しい声に、ますます眠気を誘われてしまう。

「無理……」

「寝たら落ちるぞ」

「くっついてるから平気……」

開いてるのか閉じてるのかわからないような重たい目。

起きてるのか寝てるのか、その間を彷徨っているような感覚。

ウトウトしながらも、どうにか高臣の家に戻ってきた。
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