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硝子の初恋
第8章 かげり始めた幸せ
「眞斗……私だって、眞斗が他の女子に話しかけられてるの嫌だよ。冬季大会で、眞斗の事を名前で呼ばれたのも嫌だった」

「まゆ……」

顔を上げてまゆなを見つめる高臣に、まゆなは顔を寄せる。

「沙有里が眞斗の胸板に頬ずりしたって聞いた時も、沙有里相手に本気でムカついた。……私だって充分おかしい。おかしくなっちゃうくらい、本当に本気で眞斗が好き……」

まゆなは高臣の唇に唇を重ねる。そして、いつも高臣にされるみたいに、その口腔内に舌を滑り込ませた。

「ん……」

一瞬身体を固くした高臣だが、すぐにまゆなの首に腕を回し、まゆなの後頭部に手を添えた。

まゆなも高臣の首に腕を回し、短く切り揃えられたその髪を梳くように撫でる。

「ふッ……うンッ」

高臣の口の奥の方まで、吸い込まれたまゆなの舌。絡みつく高臣の舌はいつもより熱い。

その熱に溶かされて、崩れ落ちそうになるまゆなの身体。支えるように、高臣の胸板に両手を置く。

(やっぱり……眞斗の身体で1番好きな所は胸板かも)

少し前に沙有里に聞かれた質問への答えが急に浮かぶ。

逞しいその胸板に置いた手を少しずつ動かしていく。そして、いつかのように、広い胸板にポツンと乗っている粒を摘んだ。

「─────…ッ!!」

ビクリと身体を揺らした高臣。まゆなは唇を離さないまま、その粒を優しくクリクリと絞った。


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