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硝子の初恋
第8章 かげり始めた幸せ
初日の出を見た後は、学校へ戻る部員たちと途中のコンビニへ寄る。

「今日から3日間も部活も休みー!」

はしゃぐ一年部員に、

「ハメ外し過ぎんなよ!」

二年の先輩部員が釘を刺す。ついでに、

「眞斗はやり過ぎんなよ」

と囃し立て、ワイワイと買い物をしてコンビニを出た。

出入り口の自動ドアを通る時、高臣は、ゴミ箱付近に見覚えのある姿を見た。

(あいつ、あの神社の時のサラリーマン!!)

高臣は、思わずまゆなの手を握り締めた。

「まゆなちゃん……」

そのサラリーマンは、確かにまゆなの名前を呼んで、まゆなを見て笑っていた。

(何でここに? しかも名前まで?)

まゆなは全く気付いていない様子だが、高臣には確かにその声が聞こえていた。

(俺が呼んでるのを聞いてた? でも、まゆの事を"まゆな"って言ってた。まゆの知り合いか?)

怪訝な視線を送り続ける高臣に気付き、サラリーマンはさっさと自分の車に乗り込み走り去る。

「まーなーとッ、置いてっちゃうよ?」

立ち尽くし、考え込む高臣。その手をまゆなが引いた。
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