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硝子の初恋
第8章 かげり始めた幸せ
お正月の三日間は、部活も休み。

高臣に会いたいと駄々を捏ねる暇もなく、まゆなは溜まった宿題を片付けていた。

一日掛かりでどうにか半分終えた冬休みの宿題。

まゆなが大きく伸びをした時、

♪〜♪〜♪〜♪〜♪〜

携帯が鳴った。画面は高臣からの着信を告げている。

「もしもし、眞斗?」

『まゆ、起きてた?』

「うん。ようやく宿題半分終えたぁ」

『おー、真面目にやってたんだ。偉い偉い』

たわいない話を延々とする。

毎日部活で会っていたから、会えずに電話で話すなんて、何だか新鮮だとまゆなは思った。

『今夜見る夢が初夢だよな?』

高臣が欠伸交じりにそう言った。

「うん、眞斗の夢を見るね」

まゆなは楽しそうに笑った。

『まゆは夢を操作出来んのかよ』

「してみせる!」

電話だから見えないけれど、まゆなはガッツポーズを作ってみせる。

『絶対かぁ?』

「絶対!」

『じゃあ、明日どんな夢だったか報告しろよ』

高臣の冗談半分な言葉に、まゆなは本気で頷いていた。

(初夢が眞斗の夢なんて、何だか縁起がいいもん。絶対、眞斗の夢をみるッ!)

まゆなは、高臣とのプリクラを枕の下に挟むと、ベッドに寝転がり目を閉じた。
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