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硝子の初恋
第9章 突然のサヨナラ
高臣もつぐみも去った屋上で、まゆなは1人で泣いていた。

"浮気したら別れる"

付き合い始めたばかりの頃は、高臣の気持ちもわからなかったし、高臣の女性関係はかなり派手だった。

だからそんな約束をした。

あの頃にされた浮気なら、あっさり引き下がれたかもしれない。

でも、今は違う。

お互いに気持ちは通じ合ってた。まゆなも高臣が好きで、高臣もまゆなを好きでいてくれた。

なのに、こんな呆気ない終わり方……。

一方的に、突然なんて、絶対におかしい。

(何で?立石さんと何があったの?)

高臣がつぐみを押し倒していた姿を思い出し、まゆなは蹲る。

(なんで私には話してくれないの?)

別れを切り出した高臣の、泣き出しそうな切な気な顔が浮かぶ。

(なんで別れなきゃいけないの?)

つぐみの高笑いが、まゆなの耳にこだましていた。

(ねぇ、眞斗─────…ッ)
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