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硝子の初恋
第9章 突然のサヨナラ
そのまま放課後になるまで、屋上で過ごしたまゆな。帰りのSHRの後に教室に戻った。
「まゆー」
まゆなに駆け寄った沙有里が抱き着く。
「すぐに追いかけなくてごめんね? 大丈夫だった?」
購買から屋上に向けて駆け出した時の事を言っているのだろう。あの後、沙有里は何度かメールをくれていた。
「だっ、大丈夫だよ」
自分の中で、納得出来ない、諦めきれないのに、別れただなんて言えない……
まゆなは無理矢理笑顔を作った。
「まゆー、私、侑吾先輩にケー番とアドレス聞かれた」
いつもは勘の鋭い沙有里だが、侑吾と連絡先を交換出来た事に舞い上がり、まゆなの異変に気付かないようだ。
「どうしよう……嬉しい……」
頬を染めて涙目でそう呟く沙有里。そんな親友の姿に、まゆなは少しだけ笑顔が戻る。
「……沙有里。良かったね。初メールはしたの?」
「全然言葉が思いつかないの」
「部活前に送らないと遅くなっちゃうよ?」
「うー…」
まゆなに急かされ、沙有里はメール画面を開く。だが、それきり手が止まってしまっていた。
「沙有里……」
「ん?」
「……叶うといいね、侑吾先輩への想い」
まゆなの言葉に、沙有里が顔をあげてまゆなを見つめた。
「……うん、ありがとう」
そして、沙有里は幸せそうに笑った。
「まゆー」
まゆなに駆け寄った沙有里が抱き着く。
「すぐに追いかけなくてごめんね? 大丈夫だった?」
購買から屋上に向けて駆け出した時の事を言っているのだろう。あの後、沙有里は何度かメールをくれていた。
「だっ、大丈夫だよ」
自分の中で、納得出来ない、諦めきれないのに、別れただなんて言えない……
まゆなは無理矢理笑顔を作った。
「まゆー、私、侑吾先輩にケー番とアドレス聞かれた」
いつもは勘の鋭い沙有里だが、侑吾と連絡先を交換出来た事に舞い上がり、まゆなの異変に気付かないようだ。
「どうしよう……嬉しい……」
頬を染めて涙目でそう呟く沙有里。そんな親友の姿に、まゆなは少しだけ笑顔が戻る。
「……沙有里。良かったね。初メールはしたの?」
「全然言葉が思いつかないの」
「部活前に送らないと遅くなっちゃうよ?」
「うー…」
まゆなに急かされ、沙有里はメール画面を開く。だが、それきり手が止まってしまっていた。
「沙有里……」
「ん?」
「……叶うといいね、侑吾先輩への想い」
まゆなの言葉に、沙有里が顔をあげてまゆなを見つめた。
「……うん、ありがとう」
そして、沙有里は幸せそうに笑った。