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硝子の初恋
第9章 突然のサヨナラ
「まなッ……」
いつものように"眞斗"と言いかけてハッとして口を噤む。
"もう……名前で呼ぶな……"
昼休みに高臣に言われた言葉が、まゆなの心に重たく響いた。
「たっ、高臣先輩……タオルどうぞ……」
「……サンキュ」
まゆなを見つめる高臣が、ひどく傷ついたような悲し気な顔をしていて、まゆなの心がズキンと痛んだ。
「…………」
"ちゃんと話がしたい!"
そう伝えたいのに、まゆなは掛ける言葉を見つけられない。
涙目のまゆなに気付き、高臣はまゆなの頭からタオルを掛けた。
「……ごめん、まゆ……泣くな」
そう言われ、慌てて涙を拭いたまゆながタオルを取ると、高臣はもうスタート台の方に戻っていた。
「諦められないよ……」
高臣の背中に呟く。
意味がわからなくて、納得出来ない。
だけど……
(私がいると、集中出来ない?)
自己ベストには程遠いタイムが続く高臣を見ながら、まゆなはそんな不安に駆られた。
いつものように"眞斗"と言いかけてハッとして口を噤む。
"もう……名前で呼ぶな……"
昼休みに高臣に言われた言葉が、まゆなの心に重たく響いた。
「たっ、高臣先輩……タオルどうぞ……」
「……サンキュ」
まゆなを見つめる高臣が、ひどく傷ついたような悲し気な顔をしていて、まゆなの心がズキンと痛んだ。
「…………」
"ちゃんと話がしたい!"
そう伝えたいのに、まゆなは掛ける言葉を見つけられない。
涙目のまゆなに気付き、高臣はまゆなの頭からタオルを掛けた。
「……ごめん、まゆ……泣くな」
そう言われ、慌てて涙を拭いたまゆながタオルを取ると、高臣はもうスタート台の方に戻っていた。
「諦められないよ……」
高臣の背中に呟く。
意味がわからなくて、納得出来ない。
だけど……
(私がいると、集中出来ない?)
自己ベストには程遠いタイムが続く高臣を見ながら、まゆなはそんな不安に駆られた。