この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
硝子の初恋
第10章 サヨナラの理由が知りたい
「あ、一輝!」
沙有里の大声に、まゆなと一輝は気まずそうに顔を合わせる。
昨日、高臣は、一輝の自転車の荷台につぐみを乗せて帰った。
(どんな風に一輝に言ったのかな……)
まゆなが一輝の方を見ると、一輝は慌てて目を逸らす。
(口止めされてるのかな……。一輝だって、ホントはこんな事に関わりたくなんかないよね……)
まゆなはため息を飲み込み、立ち上がる。
「まゆ? どうかした?」
「ロッカーに教科書取りに行くだけだよ」
そう言うと、まゆなは一輝と目線を合わせないように、サッと廊下へ出た。
「はぁー」
ロッカーに凭れ、まゆなは大きくため息を吐いた。
「……ため息吐くと幸せが逃げるって知ってる?」
「渡辺くん!?」
文化祭で一年の王子様に選ばれたクラスメイトの渡辺が、まゆなの前に立っていた。
文化祭での渡辺の真っ直ぐな告白に、まゆなも自分の気持ちをキチンと伝えていた。
"高臣先輩が好きだから、他の人は考えられない"と。
"そっか"と切な気に笑った渡辺とは、その後は気まずくて挨拶程度の言葉しか交わしていなかった。
沙有里の大声に、まゆなと一輝は気まずそうに顔を合わせる。
昨日、高臣は、一輝の自転車の荷台につぐみを乗せて帰った。
(どんな風に一輝に言ったのかな……)
まゆなが一輝の方を見ると、一輝は慌てて目を逸らす。
(口止めされてるのかな……。一輝だって、ホントはこんな事に関わりたくなんかないよね……)
まゆなはため息を飲み込み、立ち上がる。
「まゆ? どうかした?」
「ロッカーに教科書取りに行くだけだよ」
そう言うと、まゆなは一輝と目線を合わせないように、サッと廊下へ出た。
「はぁー」
ロッカーに凭れ、まゆなは大きくため息を吐いた。
「……ため息吐くと幸せが逃げるって知ってる?」
「渡辺くん!?」
文化祭で一年の王子様に選ばれたクラスメイトの渡辺が、まゆなの前に立っていた。
文化祭での渡辺の真っ直ぐな告白に、まゆなも自分の気持ちをキチンと伝えていた。
"高臣先輩が好きだから、他の人は考えられない"と。
"そっか"と切な気に笑った渡辺とは、その後は気まずくて挨拶程度の言葉しか交わしていなかった。