この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
硝子の初恋
第10章 サヨナラの理由が知りたい
学校に入った途端に、まゆなは緊張する。また手を切らないように、上靴に恐る恐る手を伸ばす。

高臣と別れた事は、まだ沙有里も知らない。当然、他の生徒も知らない。

そのため、今だ嫌がらせのような事をされる事も少なくなかった。

「神崎、おはよ!」

「わ、渡辺くん!? おはよ……」

朝の登校のピークが少し過ぎた昇降口に、渡辺の元気な声が響く。

あの日以来、渡辺はやたらとまゆなに話しかけて来ていた。

「数学の宿題やってきた? 俺今日出席番号で当たりそう」

「数学苦手だから後で沙有里に見せてもらおうと思って。渡辺くんも見せてもらったら?」

「マジ!? ラッキー」

さすがは一年の王子様の渡辺。屈託のない笑顔を向けられると、まゆなの心臓がドキリと小さく跳ねる。

(うー…私ってば、何ときめいてるのよ)

まゆなはペチペチと頬を叩き、先を歩く渡辺に駆け寄ろうとした。

グイッ

不意に腕を後ろに引かれ、バランスを崩すまゆな。ドンっとその胸に抱き留められる。

広くて分厚い胸板。振り返らなくても、それが誰なのかわかる。

先程渡辺にときめいた時とは比べ物にならないくらい、心臓がドキドキと大きく高鳴る。

「まゆ……」

低く落ち着いたその声。

「眞斗……」

口にしてからハッとする。

「た、高臣先輩ッ、おはようございます」

慌てて身体を立て直して高臣から離れ、頭をバッと下げて挨拶をする。

「……おはよ」

高臣が挨拶を返してくれた。それだけでまゆなは嬉しくて、笑顔が零れた。
/367ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ