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硝子の初恋
第10章 サヨナラの理由が知りたい
「……私、眞斗が好きなの」

「別れたんでしょ?」

「別れてない! 私はまだ納得してない!」

まゆなは繋がれた手を振りほどいた。

「ごめんね……私はまだ、眞斗の事が好きなの……大好きなの……諦め切れない……」

「失恋の傷を癒すには、新しい恋が手っ取り早いよ?」

「でも……私まだ本気で眞斗とぶつかってない」

逃げてばかりじゃ、前に進めない。

そろそろ本気で高臣と話をしなければいけないと、全てをハッキリさせたいと、まゆなは思っていた。

「ちゃんと本気でぶつかってみる。それでダメなら……諦める」

「"じゃあその時を待ってる"って言ったら嫌な奴だね」

「うん、最低だね」

「ははっ、頑張れよ」

渡辺は軽く笑うと、まゆなの頭を優しくポンポンと叩いた。
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