この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
硝子の初恋
第10章 サヨナラの理由が知りたい
練習後、沙有里が強引に、高臣と一輝も引き連れて、駅前のドーナツ屋へ来ていた。
まゆなの横に高臣、テーブルを挟んだ向かいに沙有里と一輝が座っている。
「まゆ、昼休みすごい落ち込んでたじゃん? 泣いてた?」
無神経に聞く一輝の背中を沙有里が叩く。
まゆなは気まずそうにチラリと高臣を見る。まゆなの隣に座った高臣は、遠くの床を睨みつけている。
「えっと……お昼前にちょっと…いろいろあって……」
(お昼前……立石とまゆが会った時か……)
"だから言ってやったの。眞斗のスランプは、神崎さんが眞斗の目の前をウロチョロするからでしょって。眞斗は監視されてるみたいで嫌な気分でしょうね。気まずいんでしょうねって。そしたら神崎さん、涙流して───…"
つぐみの言葉が頭の中でこだまする。
(自分のせいで俺がスランプなんだって…泣いてたんだ……。まゆのせいなんかじゃないのに……)
高臣は膝の上の拳をキツく握った。
「で、落ち込んでたまゆを渡辺王子が連れ出したと。その後は?」
沙有里が身を乗り出す。
「えっと……それで…最近出来たファストフード店でお昼を食べて、ゲームセンターに寄って……。そこで補導員に捕まりそうになって、めちゃくちゃ走って逃げたんだよ」
「何その少女漫画な展開! 渡辺の奴完全に王子じゃないか! 恋愛に発展するの完全に狙ってるじゃん」
沙有里が声を荒げた。
「沙有里、声大きい!」
沙有里の隣に座る一輝が沙有里の腕を突つく。
まゆなの横に高臣、テーブルを挟んだ向かいに沙有里と一輝が座っている。
「まゆ、昼休みすごい落ち込んでたじゃん? 泣いてた?」
無神経に聞く一輝の背中を沙有里が叩く。
まゆなは気まずそうにチラリと高臣を見る。まゆなの隣に座った高臣は、遠くの床を睨みつけている。
「えっと……お昼前にちょっと…いろいろあって……」
(お昼前……立石とまゆが会った時か……)
"だから言ってやったの。眞斗のスランプは、神崎さんが眞斗の目の前をウロチョロするからでしょって。眞斗は監視されてるみたいで嫌な気分でしょうね。気まずいんでしょうねって。そしたら神崎さん、涙流して───…"
つぐみの言葉が頭の中でこだまする。
(自分のせいで俺がスランプなんだって…泣いてたんだ……。まゆのせいなんかじゃないのに……)
高臣は膝の上の拳をキツく握った。
「で、落ち込んでたまゆを渡辺王子が連れ出したと。その後は?」
沙有里が身を乗り出す。
「えっと……それで…最近出来たファストフード店でお昼を食べて、ゲームセンターに寄って……。そこで補導員に捕まりそうになって、めちゃくちゃ走って逃げたんだよ」
「何その少女漫画な展開! 渡辺の奴完全に王子じゃないか! 恋愛に発展するの完全に狙ってるじゃん」
沙有里が声を荒げた。
「沙有里、声大きい!」
沙有里の隣に座る一輝が沙有里の腕を突つく。