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硝子の初恋
第11章 再び重なる心
「高臣!」
大学のプールサイドで、制服姿のまま水面を見つめる高臣に、小長井が声を掛けた。
小長井は高臣の一つ上の先輩で、水泳部の元部長。小長井も文化祭でまゆなに告白しており、今の高臣には更に面白くない存在だ。
「スランプだって聞いてな。大丈夫か?」
「別に……ちょっと気分が乗らないだけです」
心配顔の小長井に対し、素っ気ない高臣。
「はは……すっかり嫌われちゃったな」
小長井は困ったように笑って、頭を掻いた。
「まゆと付き合ってるんだって?」
「……」
「来る者拒まずだった高臣が、たった1人に夢中になる日がくるなんてな」
「……」
「邪魔するつもりはないよ。まゆの事、ちゃんと幸せにしてやれよ」
高臣の肩を叩く小長井。
高臣は、何も言えないまま立ち尽くしていた。
大学のプールサイドで、制服姿のまま水面を見つめる高臣に、小長井が声を掛けた。
小長井は高臣の一つ上の先輩で、水泳部の元部長。小長井も文化祭でまゆなに告白しており、今の高臣には更に面白くない存在だ。
「スランプだって聞いてな。大丈夫か?」
「別に……ちょっと気分が乗らないだけです」
心配顔の小長井に対し、素っ気ない高臣。
「はは……すっかり嫌われちゃったな」
小長井は困ったように笑って、頭を掻いた。
「まゆと付き合ってるんだって?」
「……」
「来る者拒まずだった高臣が、たった1人に夢中になる日がくるなんてな」
「……」
「邪魔するつもりはないよ。まゆの事、ちゃんと幸せにしてやれよ」
高臣の肩を叩く小長井。
高臣は、何も言えないまま立ち尽くしていた。