この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
硝子の初恋
第11章 再び重なる心
「ひっ……」
まゆなは小さく悲鳴を上げ、振り返る。
いつもは暗くてハッキリ分からなかったけど、20代後半か30代くらいの男だ。
ボサボサと伸びた髪と無精髭。口元は、やはり今日も半笑いだ。
「やっぱり……神崎 まゆなちゃんだ……」
「何で……私の、名前……」
フルネームで名前を呼ばれた怖さから、まゆなはつい聞き返していた。
「ウサギみたいに寂しがり屋のまゆなちゃん……いつも見てるよ……」
半笑いのまま、ボソボソと話すサラリーマン。
まゆなは怖くなって後ずさる。
「またサイトにアドレス載せてよ……毎日メールするから……毎日寂しくなんてさせないから……」
ドンッと商品棚に背中が当たり、まゆなは弾かれたように走り出した。
ガタガタと震え出す身体を必死に動かし、自転車を漕ぎ出すまゆな。
サラリーマンは追い掛けてくる気配もなく、いつものように半笑いのまま、まゆなをじーっと見つめていた。
まゆなは小さく悲鳴を上げ、振り返る。
いつもは暗くてハッキリ分からなかったけど、20代後半か30代くらいの男だ。
ボサボサと伸びた髪と無精髭。口元は、やはり今日も半笑いだ。
「やっぱり……神崎 まゆなちゃんだ……」
「何で……私の、名前……」
フルネームで名前を呼ばれた怖さから、まゆなはつい聞き返していた。
「ウサギみたいに寂しがり屋のまゆなちゃん……いつも見てるよ……」
半笑いのまま、ボソボソと話すサラリーマン。
まゆなは怖くなって後ずさる。
「またサイトにアドレス載せてよ……毎日メールするから……毎日寂しくなんてさせないから……」
ドンッと商品棚に背中が当たり、まゆなは弾かれたように走り出した。
ガタガタと震え出す身体を必死に動かし、自転車を漕ぎ出すまゆな。
サラリーマンは追い掛けてくる気配もなく、いつものように半笑いのまま、まゆなをじーっと見つめていた。