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硝子の初恋
第11章 再び重なる心
昨日の部活は首にタオルを巻いてキスマークを隠していた。今朝は首に絆創膏を貼って隠している。

「あ、もしかして、高臣先輩と仲直りエッチした?」

教室に入ったまゆなを見るなり、渡辺が言った。

「え?! 何でッ?!」

まゆなは思わず首筋の絆創膏を隠す。

「首に絆創膏貼るような怪我って普通しないでしょ? バレバレ!!」

渡辺は絆創膏を隠すまゆなの手を無理矢理退ける。

「む、虫に刺されたの!」

「この真冬に?」

「う……」

早くも言葉に詰まるまゆなを、渡辺は楽しそうに見ている。

「……神崎が幸せそうに笑っていられるなら、俺は身を引くよ」

不意に、小さな声で、渡辺がそう言った。

「……ごめんね。どうしても…眞斗から気持ちが離れない……」

この先どうなるかわからない。

こんな別れ方をしたのだから、二度と報われる事のない片想いのままかもしれない。

(それでも、まだ望みはあるかもしれない……)

まゆなは首筋の絆創膏にそっと触れた。
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