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硝子の初恋
第11章 再び重なる心
バチンッ
屋上に乾いた音が響く。

つぐみは、生まれて初めて他人を叩いた。怒りに任せ、力任せに高臣の頬を叩いていた。

「もう少し、立場をわきまえて下さいね」

叩いた手がヒリヒリと痛い。叩かれた高臣はもっと痛いのだろうと、少しだけつぐみの心が痛んだ。

「次に神崎さんと事を起こしたら、神崎さんの心をズタズタにしてやりますから」

つぐみを睨む高臣の、赤くなった頬をゆっくりと撫でながら、つぐみは静かに言った。

「ここも……いつまでも役立たずでは困ります。私の身体が満たされない分、泣き叫ぶ神崎さんの声に私の心を満たしてもらう事になりますよ? 」

ズボンの上から、高臣の股間を撫でるつぐみ。

高臣はまだ、つぐみを睨む事しか出来なかった。
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