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硝子の初恋
第11章 再び重なる心
「神崎!」

部活の後、まゆなはコーチに呼び止められた。

「はい?」

選手でもないまゆなにコーチが声を掛けるのは珍しい。まゆなは首を傾げた。

「いや、あのさ、お前ら喧嘩でもした?」

「え?」

「ほら、高臣先週からずっと調子悪いだろ? 高臣が調子崩し出した頃から、高臣と神崎がイチャイチャしなくなったなぁと思ってさ」

「あ……」

高臣と別れて2週間が経っていた。

まだ誰にも、高臣と別れた事は話していない。

あの勘のいい沙有里も、侑吾との発展しかけの恋愛に忙しくて、全く気付いていない。

「まぁ、高臣の事だから喧嘩程度であんなスランプに陥るとも思えねぇけど……記録会近いし、何か知ってたら教えて?」

(さすがコーチだな。眞斗の事ちゃんと見てる。記録会も近いし、コーチには話した方がいいのかも)

そう思い、まゆなは思い切って打ち明けた。
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