この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
硝子の初恋
第11章 再び重なる心
「あ、まゆちゃん! 悪いんだけど、更衣室の鍵当番、頼んでいい?」
スタスタと立ち去るコーチの背中を眺めていたまゆなの後ろから、先輩マネージャーの声が掛かる。
「え? あ、はい」
まゆなは慌てて鍵を受け取った。
「ごめんね。まだ中に高臣くんがいるの。他は皆帰ったから」
そう言うと、先輩マネージャーはバタバタと走り去って行った。
トントン
更衣室のドアを叩いても返事がない。まゆなは恐る恐るドアを開けた。
着替えもせずに更衣室の真ん中のベンチに座る高臣。
「あの……高臣先輩……」
「まゆ……」
ボーっと一点を見ていた高臣が、まゆなの声に気付き顔を上げる。その顔は、泣きそうに歪んで見えた。
「眞斗……!!」
まゆなは思わず駆け寄って、高臣を抱きしめた。
「……ッ……1人で苦しまないでよ……私はそんなに頼りない?」
「まゆ……ッ」
高臣は、まゆなの胸に顔を埋め、背中に回した手に力を込めた。
スタスタと立ち去るコーチの背中を眺めていたまゆなの後ろから、先輩マネージャーの声が掛かる。
「え? あ、はい」
まゆなは慌てて鍵を受け取った。
「ごめんね。まだ中に高臣くんがいるの。他は皆帰ったから」
そう言うと、先輩マネージャーはバタバタと走り去って行った。
トントン
更衣室のドアを叩いても返事がない。まゆなは恐る恐るドアを開けた。
着替えもせずに更衣室の真ん中のベンチに座る高臣。
「あの……高臣先輩……」
「まゆ……」
ボーっと一点を見ていた高臣が、まゆなの声に気付き顔を上げる。その顔は、泣きそうに歪んで見えた。
「眞斗……!!」
まゆなは思わず駆け寄って、高臣を抱きしめた。
「……ッ……1人で苦しまないでよ……私はそんなに頼りない?」
「まゆ……ッ」
高臣は、まゆなの胸に顔を埋め、背中に回した手に力を込めた。