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硝子の初恋
第12章 踏み出す勇気
「そうそう! でも今はいいコンビだよ。漫才聞いてるみたいに面白い」

「それって恋愛に発展すんのか?」

「……夫婦漫才…とか?」

「ぶっ……沙有里らしいなぁ」

噴き出す高臣。その笑顔に、まゆなは胸が締め付けられた。

「沙有里は……上手くいくといいなぁ」

気付けばまゆなはそう俯いていた。

「……言うなよ?」

「え?」

「別れたとか、誰にも言うなよ? 」

高臣の言葉に、まゆなは驚いて顔を上げた。心臓は、期待に高鳴る。

「立石の事にケリ付けたら、俺、もう一度まゆに告白するから。それまで、誰にも知られんなよ?」

欲しかった言葉。もう一度、高臣と笑い合いたい。

「眞斗……うん……待ってる」

ぎゅーっと締め付けられる胸を抑えて、まゆなは満面の笑みを見せた。

まゆなの反応に、高臣も嬉しそうに笑うと、そっと、まゆなの頬に零れ落ちた嬉し涙を拭った。
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